今、ある人のことを思い浮かべていて
ふと気づいた
幸せな人、あるいは幸せそうに見える人の共通点
それは
完全に馬鹿になりきれていることだ
あなたが馬鹿だと思う人たちの顔を思い出してみて欲しい
彼らは眉間にシワを寄せて深刻に悩んでみたり
他人の悪口や不平不満、文句を言っているだろか
いや、そうではないはずだ
彼らはいつも大口開けて笑っていて
誰かに馬鹿にされても、構わず微笑んでいて
何かをするときは実に真剣で、一生懸命で
そしていつもとても楽しそうではないだろうか
これを書いていたら
宮沢賢治の「雨にも負けず」を思い出した
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい
この詩を読んだとき
不覚にも涙が滂沱として流れ落ちた
突如、魂が歓びはじめたのだ
私の魂も
こんな生き方を望んでいるのだろうか
そしてまた、
これも幸せな生き方の一つなのだろうか
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